深刻化する児童養護施設の現状
児童養護施設は、平成22年時点で全国に579か所(全養協調べ)あり、3万人の子どもたちが生活していますが、その多くは虐待による保護です。厚生労働省のデータによると平成22年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談数は、20年前と比べて約50倍に拡大しており、統計によると今や1週間に1人以上の子どもが虐待によって命を失っているという状況で、事態は日々深刻さを増しています。(厚生労働省社会保障審議会児童部会統計より) *下記平成2年から17年までの15年間の児童虐待相談数推移表
繰り返される社会格差
施設に暮らす児童は原則18歳で施設を退所しますが、様々な偏見や不利な条件を抱える子どもたちにとって、例え大学へ進学できたとしても、経済基盤の無い中で学業と生活の両立は相当困難な問題です。また施設を退所した後も、たった一人でこの厳しい社会を歩んで行かなければならず、困難にぶつかった時に相談できる大人や、帰る実家すらない子どもも少なくありません。それゆえに、安易に仕事を辞めてしまったり、犯罪に巻き込まれてしまったりしやすく、施設出身の子どもが、また施設へ入所するという負の連鎖を引き起こす現実もあります。
子どもたちが自らの可能性に気付くことができる機会の提供
様々な問題を抱える児童養護施設で育つ子どもたちは、日々、日本の比較社会の中で、大きな劣等感にさらされ暮らしています。『自分は施設出身だから・・』と自らを肯定できず、可能性に蓋をする子どもたちがいます。私たちは、子どもたちに植え付けられた、この無意識の壁を払拭する機会を、国際教育(海外留学)や様々な成功体験を通じて提供できると考えています。
しごと里親(Shigoto Satooya)
社会的養護の子どもや若者と仕事を繋ぐ
児童養護施設を始めとした社会的養護の子どもや若者たちが施設を卒園した後にも社会で安心して自立し活躍できるよう、その理解者を増やすと共に、社会への定着を応援するプログラムです。
ワンステップセミナー(One Step)
社会へ踏みだすはじめの一歩を応援する活動
児童養護施設に在籍する高校3年生を対象に、一人暮らしや社会生活に必要となる知識やスキルについて、社会人サポーターと一緒に学ぶ機会を提供するプログラムです。
児童には、参加回数に応じて新生活に必要となる生活必需品を応援寄贈します。
ステップパスポート(Step Passport)
未来を拓くための海外体験ブログラム
児童養護施設等(自立援助ホーム含む)に入所する児童を主な対象として、海外体験を提供するプログラムです。
事前の準備期間、及び現地での語学研修・ホームステイ体験などを通じて、海外での異文化体験の機会を提供し、対象児童の国際性や自信を養うと共に将来への夢を描く機会を提供することを目的とします。
カナエール福岡(canayell-Fukuoka) *新規募集終了済み
「資金」と「意欲」を支える奨学金プログラム
カナエールは児童養護施等を退所した後、大学等へ進学する若者を卒業するまでサポートするプログラムです。
夢を語るスピーチコンテストを軸に、児童養護施設等の子どもたちの進学格差と、将来への「希望格差」を解消し、社会全体で「夢をかなえるチカラ」を育むことを目指します。
*カナエールは2017年度で新規募集を終了させて頂きました。
*当法人では支援中の児童の奨学金終了までは福岡事務局として運営しています。
* カナエールは認定NPO法人ブリッジフォースマイルが創設し運営するプログラムで、スマイリーフラワーズは福岡での活動拠点として支援しています。
* ワンステップセミナーは認定NPO法人ブリッジフォースマイルが創設し運営する巣立ちプロジェクトのプログラム内容提供を受けて当法人で実施運営する活動です。